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ハルカナ景色

ツイッターの文字数では書ききれないようなことを書くブログです。話題は多方面になりそう。

SMAPのベストアルバム『WOOL』の良さ ~等身大のアイドル像を描く歌詞~

自分は、SMAPのベストアルバム『WOOL』が大好きです。

WOOL (アルバム) - Wikipedia

単純に、選曲や曲順がいいというのもありますが、それ以上にこのアルバムの

魅力は収録曲の歌詞にあります。

 

それを見ていく前に、少し前のジャニーズについて、曲名や歌詞から受ける

印象を振り返ってみましょう。

 

シブがき隊は“言葉遊び”が目立っていました。

NAI NAI 16

ZIG ZAG セブンティーン

ZOKKON命

スシ食いねェ!

擬音語を多用したり、韻を踏んだり。そのため、とてもキャッチーで

耳に残りやすく、いまでもテレビ等で使われることが多々あります。

 

少年隊はロマンチックな世界を作り出していました。

仮面舞踏会

デカメロン伝説

バラードのように眠れ

君だけに

『君だけに』のようなド直球のラブソングもあれば、

どこか幻想的な空気を漂わせる曲もあり、

大人のアイドルというイメージがあったように思います。

 

光GENJIはファンタジーにあふれていました。

STAR LIGHT

パラダイス銀河

剣の舞

荒野のメガロポリス

曲名を見ただけでワクワクしてしまうような期待感。

それがローラースケートの見事なパフォーマンスと

重なると、唯一無二の空間を作り出します。

ある種、アイドルの完成型と言えるのではないでしょうか。

 

そして、SMAPにたどり着きます。

SMAPはデビュー曲が1位を取れなかったり、ちょうど

音楽番組が氷河期を迎え、バラエティに活路を見出したりと、

デビューして数年は思うようにいきませんでした。

 

そんなSMAPが、『$10』や『がんばりましょう』等で

音楽的に成功をおさめ、ドラマ・バラエティ等、多方面で

その姿を見ない日はないほど、一気に急成長していきます。

 

では、ちょうどそのころ、90年代半ばに歌われた

SMAPの曲。『WOOL』に収録された曲の歌詞は

どのようなことを歌っていたのか。

それは、アイドルが歌うには似つかわしくないと思えるほど、

ちょっとダサくてダメな男。どこにでもいそうな

等身大の一般人を歌っていたのです。

 

それこそが、SMAPが国民的アイドルとなった一つの

要因だと思います。手の届かないところにいるアイドルが

共感しやすいことを歌っている。そこに惹かれたのではないかと。

実際、当時は小学生で深い意味も考えず聴いていた自分も、

社会人になって初めてその奥深さを知ったというのが

たくさんあります。

 

では、実際に『WOOL』に収録された曲の歌詞を

いくつか見ていきましょう。

このアルバムは2枚組で、明るい雰囲気の『WOO side』と

切ない雰囲気の『LOO side』にわかれていますが、

『WOO side』の一曲目がいきなり『働く人々』という

アイドルっぽくない曲名。

 

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自分が好きなももクロの『労働賛歌』にも通じるような

「しゃーないけど、働くべ」という義務感に絡みつかれつつも、

希望をもって進む。社会人の多くが思わずうなずくのではないでしょうか。

www.youtube.com

 

気だるさ全開の『A Day in the Life』も興味深い曲です。

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自分は結局、普通の人間で普通の生活を送るしかないという

悟りを開いたような歌詞。おおよそ、トップアイドルが歌う

曲とは思えません。しかし、逆を言えばSMAPがこれを

歌うからこそ、そこに意味が生まれるとも言えます。

 

男の悲哀を歌った曲といえば『KANSHAして』や『$10』でしょうか。

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いずれの曲も「愛さえあればいい? そんなのまやかしでしょ」という

趣旨のことを歌っています。それまでのアイドルの曲は、極端に

言ってしまえば「僕は君が大好きだよ」ということだけを

様々な表現で歌っていました。そこを、でも現実的には

一筋縄ではいかないよねと歌ってくれたのがSMAPなのです。

 

『雨がやまない』という曲では、とにかく救いようのない

シチュエーションが描かれています。

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 ジャニーズで雨関連の切ない曲だと、少年隊の

『レイニーエクスプレス』というのがあります。

ただ、こちらは少年隊らしくロマンチックです。

「ウィンドウに書いたサヨナラの文字を雨が消していった」

まるで映画のワンシーンのような描写。事実は小説より奇なりとは

言いますが、映画や小説のような体験は現実になかなか起こらないもの。

だから、聴く側はSMAPにより感情移入するのです。

 

このように、『WOOL』は歌詞に注目しながら楽しめる

ベストアルバムです。今回、紹介しきれなかった曲も

すべてが名曲です。

 

また、個人的に「大人の悲哀を歌ったシングル4部作」と

勝手に思っている以下の曲。

たぶんオーライ

KANSHAして

しようよ

どんないいこと

自分はSMAPの「らしさ」がつまったこの4曲が

大好きなのですが、25周年ベストには1曲も選ばれませんでした。

そういう意味でも、この『WOOL』には価値があります。

 

限定生産のため、今となっては中古でしか手に入りません。

もし手に入れたいと思ったら、すぐに探してみましょう。

絶対に損はしないと断言できます。